耐水圧・透湿性とは何か

耐水圧・透湿性とは何か

雨天時の作業に欠かせないアイテムといえば合羽ですが、合羽を選ぶ際には耐水圧や透湿性など、押さえておくべきいくつかのポイントがあります。

今回は、そんな合羽選びに必要な耐水圧と透湿性を中心に解説していきます。

合羽選びに重要な耐水圧と透湿性

「耐水圧」と「透湿性」は、合羽を選ぶ際に外すことのできない要素です。合羽とは、言うまでもなく雨天時の作業に活躍してくれるアイテムです。

 合羽といえば真っ先に頭に浮かぶのが「防水性」ですが、販売されている商品にわざわざ水をかけて実験するわけにもいかないため、本当の防水性能というのは購入してみない限り分からないのが実情です。

そんな合羽選びの役に立つのが「耐水圧」です。耐水圧を知ることができれば、その合羽にどの程度の防水性能が備わっているのかを知ることができます。

また、合羽といえば蒸れるもの。防水性が高いあまり内部の温度が上昇しやすく汗をかいて湿度も高まります。この際に発生する蒸気を外へと逃がす度合いのことを「透湿性」と呼びます。透湿性が優れていれば蒸れにくく快適な気心地で作業ができるのです。

耐水圧と透湿性を知る方法とは

では実際に合羽を購入するにあたって、耐水性と透湿性を知るにはどうしたらいいのでしょうか。

実は、耐水圧や透湿性は合羽のパッケージなどにも表示されていますので、目安の数値さえ知っておけば、そこからその合羽の機能が高いか低いかを知ることが可能です。

耐水圧

耐水圧とは、文字通り合羽の生地がどれだけの水圧に耐えられるかを表している数値です。当然ながら、耐水圧が低ければ水が染み込みやすく、逆に耐水圧が高ければ防水性が高いことを意味します。

耐水圧の数値とそこから耐えられる雨の量は以下のとおりとなります。

耐水圧

雨の量

300mm

小雨程度

2,000mm

本降りの雨

10,000mm

大雨レベル

20,000mm

暴風雨など

 

一般的に使用されているナイロン傘の場合、およそ200mm300mm程度の耐水圧しかないといわれていますので、耐水圧が多少低くても、すぐに合羽の中まで水が染み込んでしまうことはないようです。

しかし例えば、暴風雨の中で耐水圧300mmの合羽を着てしまうようなことがあると、高い水圧により短時間で水が染み込んでしまう結果になりますので、できるだけ高い耐水圧のものを選んでおくと安心です。

また、濡れた場所に座る場合などは人の体重もプラスされるためさらに水圧が高くなってしまいます。耐水圧が低い合羽では、濡れた場所に座ったり膝をつくなどした際にすぐ水が染み込んできてしまうこともあります。

濡れた場所に膝をついた場合

およそ11,000mm

濡れた場所に座った場合

およそ2,000mm

 

上表は体重70kg80kgの人が濡れた場所に座ったり膝をついたりした際の圧力です。このあたりの数値を目安に、できるだけ耐水圧の高い合羽を選ぶようにするのがおすすめです。

透湿性

合羽を着て作業をする中で、合羽の内側がどの程度蒸れるのかも不安要素です。防水性の高い反面、内側が蒸れやすいのも合羽の特徴でありデメリットですが、これも「透湿性」から判断することができます。

透湿性能が高いと、雨や風を防いでくれると同時に内部で発生する蒸気を外へ逃がしてくれるため、快適に作業することが可能になります。

透湿性で合羽を選ぶには、まず「自分がどの程度汗をかくのか?」を把握しておく必要があります。

激しい運動をした場合

1時間あたりおよそ1,000g

適度に運動した場合

1時間あたりおよそ500g

安静時

1時間あたり50g

 

作業をしている場合は安静時に該当することはありませんので、相応に運動をしている状態と同じになります。できるだけ透湿性の高い合羽を選ぶことを意識しましょう

透湿性を基準に合羽を選ぶ場合には、なるべく5,000g以上のものを中心に選ぶようにし、運動量が非常に多い作業をする場合や季節的に発汗量が多くなるケースなら、10,000g以上のものを中心に選ぶことをおすすめします。

合羽選びは耐久性や動きやすさにも目を配ろう

作業時に着用する合羽ですから、耐水圧や透湿性ばかりにこだわってしまって肝心な耐久性や動きやすさがおろそかになっては本末転倒です。耐水圧や透湿性と合わせて、耐久性と動きやすさにもこだわって、多角的な視点から合羽を選ぶことが大切です。

ハードな環境で着用するなら耐久性は必須

摩耗や接触によって簡単に破れてしまっては作業効率を悪化させてしまうだけで快適な作業環境を保つことができません。

作業時に着用するなら、やはり耐久性にはこだわっておきたいところです。

機動性(動きやすさ)にこだわっておくのもおすすめ

合羽は衣服の上に着るものですので、ただでさえ動きにくいものです。その上さらに着心地の悪いものを選んでしまえばますます動きにくくなってしまい、スムーズに作業することが難しくなります。

動きやすさを重視して合羽を選びたい場合は、できるだけ薄手のタイプを選んだり、ストレッチ性に富んだタイプの合羽を選ぶようにするといいでしょう。

まとめ

ご紹介してきましたように、合羽選びには耐水圧・透湿性・耐久性・機動性といった4つのポイントを押さえておくことが重要です。

 

また、合羽はある意味で「雨の日のユニフォーム」とも呼べる存在です。上述したポイントと合わせてデザイン性に気を配って選んでみるのもおすすめです。

 

 

 

 

 

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