ヘルメットには、工事用以外にもバイク用や災害用などさまざまなヘルメットが販売されていますが、作業で使用するなら必ず工事用のものを選ばなければなりません。ここでは工事用ヘルメットの特徴や他のヘルメットとの違い、そして購入時の選び方などを解説していきます。
:工事用ヘルメットとは
作業時に装着する工事用ヘルメットとは、そもそもどのような機能を持ったヘルメットなのでしょうか。また、工事用ヘルメットと他の用途で使用するヘルメットにはどのような違いがあるのでしょうか。
:作業者の安全を守るためのヘルメット
工事用ヘルメットは、作業をする上での安全確保に配慮して設計されたヘルメットのことです。
例えばバイク用のヘルメットの場合、転倒や衝突による事故から頭部を保護することを目的に作られています。
一方、工事用の場合も頭部を保護する目的である点は同じですが、転倒や衝突以外にも、頭上からの落下物や飛来物などからの衝撃にも備えた設計になっているのが特徴です。
さらに、電気工事時に感電を防ぐ目的で装着するヘルメットもあるなど、一般的なヘルメットに比べてより安全性の高い機能を備えているのも工事用ヘルメットの魅力です。
:さまざまな素材やデザインから選べる
工事用ヘルメットには、FRP(ファイバーグラス・レインフォースド・プラスチック)やPC(ポリカーボネート)、PE(ポリエチレン)、ABS(アクリロ二トリル・ブタジエン・スチレン)などさまざまな素材のものがありますし、デザインもツバ付きやツバなし、シールド付きやバイザー付きなどがあり、カラーバリエーションも豊富です。
一昔前とは違い、近年の工事用ヘルメットなら作業時の用途に合わせて、素材やデザイン、カラーなど幅広い選択肢からお好みに合わせて見つけることができます。
:工事用ヘルメットの選び方
作業に適したヘルメットだからとはいえ、工事用ヘルメットであればどんなヘルメットを選んでも大丈夫ということにはなりません。
作業内容はもちろんのこと、快適性にもこだわったヘルメット選びも必要です。
:作業内容に合わせて選ぶ
どのような作業でヘルメットを装着するのかによって、使用すべきヘルメット選びも異なります。
例えば建設作業の現場なら、良好な視界確保のためにもツバ付きタイプやバイザータイプを選ぶのがおすすめですし、ぐらついて作業がしづらくならないためにジャストフィット機能に優れたものを選ぶのもおすすめです。
また電気工事に使用するなら、感電防止機能に優れた絶縁用ヘルメットを選ぶなど、それぞれの作業内容に応じたものを率先して選ぶ必要もあります。
:気候に合わせて選ぶ
近年では、通気性や遮熱性に優れた工事用ヘルメットの種類も増加しています。真夏の炎天下における作業が多いなら、熱中症対策としても有効です。
猛暑時におけるヘルメットの着用は不快感を伴いがちですので、工事用ヘルメットを選ぶ際の選択肢として快適性を追求してみるのもおすすめです。
:工事用ヘルメットを選ぶ際の注意点
工事用ヘルメットを選ぶ際には、ヘルメット自体の耐久年数や内装の種類、国家検定合格品であるかどうかなど、気を付けておきたい注意点もあります。
:ヘルメットの耐久年数に注意する
これは選ぶ際の注意点というより購入後の注意点になりますが、工事用ヘルメットを購入したからといって永久に使い続けられるわけではありません。なぜなら、ヘルメットには耐久年数があるからです。
工事用ヘルメットの素材 |
耐久年数 |
主な特徴 |
FRP製 |
5年以内 |
ポリエステル樹脂にガラス繊維などが混ぜられたもの。工事用ほか災害用など用途が広いが電気用には不向き |
PC製 |
3年以内 |
衝撃に対して非常に高い耐久性を持った優れたヘルメット。耐電性にも優れ、電気用にもおすすめ |
PE製 |
3年以内 |
耐衝撃性に加えて、耐薬品性や耐電性にも優れた、万能性の高いヘルメット |
ABS製 |
3年以内 |
他の素材がプラスチックの一種なのに対し、ABSは合成樹脂。熱や薬品に弱く変形や樹脂割れなどが起きやすい。加工が容易なためデザイン性の高い素材 |
耐久年数は、あくまでもヘルメットに全く異常が認められない場合に限ります。当然ながら、ひびや割れが生じているなど明らかな異常がある場合は著しく耐久性能が落ちてしまいますので、日常的に点検しておくことも大切です。
:着装体も定期的に交換する
工事用ヘルメットの内側に付いている緩衝材や環ひもなど、内側全体のことを「着装体」と呼びます。着装体は脱着することが可能なため、損傷や汚れが目立った場合は早めに交換しておくのが理想です。
着装体の交換目安はおよそ1年程度と言われていますが、1年以内であっても汚れが目立つなどしたら衛生的にも良いとは言えません。使用感なども含め、早めの交換を意識付けしておくことも必要でしょう。交換用の着装体を事前にまとめて購入しておくと、気になった時にすぐ交換できるので便利です。
:国家検定合格品を選ぶ
一般に流通している工事用ヘルメットのほとんどが国家検定合格品のものです。これは、衝撃吸収性能ほか、耐貫通性など高い安全基準に合格したこと証明したヘルメットです。
労働安全衛生法の下、厚生労働省によって定められて基準で、「労検ラベル」と呼ばれるラベルがヘルメットの内側に貼られています。
中には軽作業用ヘルメットのようにラベルが貼られていないタイプもありますが、そうしたラベルの貼られていないヘルメットでは労働安全衛生法で定められた工事現場に入ることができない決まりになっているので、その点にも注意が必要です。
:工事用ヘルメットをECサイトで購入するメリット
工事用ヘルメットには、作業服専門店やホームセンターなどで購入する方法と、ECサイトなどネット通販を使用する方法の2種類がありますが、両者を比較した場合、実店舗よりもECサイトなどを使用した方がメリットも大きいです。
:注文から受け取りまで自宅に居ながらOK
ECサイトは、実店舗に比べて品揃えが多いほか、実店舗では扱っていないメーカーのものも手軽に購入できるメリットがあります。
しかもお店まで出かけて行く必要もなく、注文から受け取りまで自宅や会社で行えるのも大きなメリットの一つです。実店舗で購入するのとは対照的に、時間を有効活用できるというベネフィットも期待できます。
:まとめ
工事用ヘルメット選びは、作業内容などに応じて選択肢が異なります。種類も豊富なためどれを選んだらいいのか困惑してしまうことがあるかもしれませんが、ここでご紹介したことを参考にし、ぜひ適切な工事用ヘルメットを選んでみましょう。